当店のデミタス珈琲について

先日お伝えしましたように、正式にデミタスをメニューに表記しました。
当店の全てのブレンド、ストレート珈琲をデミタスでもお出しすることができます。

デミタス30g / 80cc \680 〜 \800
(写真はイスマイリ・モカ 30g。カップのデザインはメニューによって異なります)

通常より多量の珈琲豆を用いて低めの湯音で点滴ドリップ、珈琲の最も美味しいエキスの部分のみを抽出します。
(お砂糖とミルクはお付けせず、ブラックでの提供となります)

とても濃厚ですが苦みや刺激は皆無で、口当たりはとてもまろやかです。
一口ずつゆっくりと嗜んでいただくことで、珈琲本来の苦味・酸味による甘みの余韻を時間をかけてお楽しみいただけます。

尚、通常の20gのレギュラー珈琲も、ご要望があればデミタスに変更も可能です。
こちらは通常のデミタスより、軽めの仕上がりになります。

お休み頂戴しました。

毎年恒例の天神祭の2日間のお休み、今年は3年ぶりに広島県尾道へ。

到着してすぐ、再会を楽しみにしていた大先輩の珈琲屋にお電話するも、
今日明日の2日間はお休みにしているとのこと。
事前にお電話していなかったことを後悔するも、しばし電話にて近況報告、
最近の珈琲業界と将来について意見交換。
マスター、お元気そうで何よりです。また近いうち必ず会いにゆきます。

変わりに以前マスターからのご紹介でご来店いただいた尾道のお客様から
お薦めされていた若い珈琲屋さんのことを思い出し、訪ねてみることに。
とても素敵な空間で美味しい珈琲を頂き、いろいろお話を聞いて刺激を受け、
新たな良き出会いとなった。

翌朝、急遽予定を変更して尾道を発ち、岡山、そして西宮の甲子園口へ。
繋がりある先輩コーヒーマンの2店に顔を出し、素晴らしい珈琲を戴きながらの
楽しく有意義なひと時。
いつも温かく迎えてくださり、激励して送り出してくださり心より感謝。
お二方の存在はとても心強く、悩みながらも自身の珈琲の道を
探求し続けてゆく上での心の支えであり糧です。

暑さで気分も滅入りがちな中、有意義で刺激的な小旅行でした。
明日からまた日常に戻り、自身の珈琲と向き合ってまいります。

モカ2種の入荷

エチオピア、イエメンの珈琲豆が一部新しく入れ替わりました。

1) エチオピア ハラールモカ(新)
綺麗なモカ香、上質な苦味と甘みの余韻
1cup(20g) \650 / 珈琲豆100g \820

これまで取り扱っていたハラールモカより高品質のものを入手することが出来ました。

一般的に日本に輸入されているハラールと異なり、特定農協より直接輸出されたトレース可能な云わばスペシャルティグレードです。
これまでエチオピアのコーヒー市場において、流通システム上の問題となっていたエチオピア商品取引所(ECX)の規制が昨年緩和されたことにより、実現しました。

ハラールは従来、欠点豆の混入が多く(欠点豆の割合で格付ける同国の品質規格ではグレード4と低い←この等級は珈琲の香味や美味しさの優劣を測る目安ではない)、それを補うために丹念なハンドピックを複数回行い、また焙煎にも細心の注意を払ってまいりました。
そんな他の豆より遥かに時間と手間のかかるハラールモカに、それでも当店が拘るのは、エチオピアの他の地域とは異なる、ハラール特有の甘く複雑なモカフレーバーが得難く、手間隙をかけた上で深く焙煎することで発揮される、独特の魅力をお伝えしたいが為です。

しかし今回の新しい豆は生産地域と精製時期がより明確な為か、従来品のような未成熟豆や乾燥度合い等のバラツキが格段に少なく、エチオピアではハラールだけに産出すると言われる、高品質なゴールデンビーンズも多く含まれています。

試飲したところ、従来品に感じられた力強い野性味が少し洗練され円くなり、ハラール特有の酸の甘みが綺麗に出て、より品位が高まった印象です。

伝統的なハラールらしいモカ香と、スペシャルティに引けを取らない本来の品質を併せ持つ、グレードアップした当店のエチオピア珈琲をどうぞお楽しみください。


2)イエメン イスマイリ・モカ
1cup(20g) \700 / 珈琲豆100g \1100
スパイシーで重奏的な甘み、なめらかなコク

好評を博したハイミ・モカが終了し、今後はバニーマタル(マタリ)・モカと共に
新たにイスマイリ・モカを加え、イエメンの2大銘品を提供してまいります。

イスマイリは標高2,200メートルのバニー・イスマイル山の雲に覆われる山頂付近、山岳の高地に多いイエメンの産地の中でも一際標高が高く、車も立ち入れない雲上の山の斜面にて、化学肥料や農薬を使わない伝統的な農法で少量栽培されています。
大変希少でありながらイエメン市場で最も高く評価され、高額で取引される珈琲豆です。

(森光宗男マスターの撮影、著書「モカに始まり」より拝借
http://d.hatena.ne.jp/seiso-coffee/20180627

その印象はバニーマタル、ハイミ、モカマタリNo.9等、これまで取り扱ってきた他のどの銘柄とも全く異なり、驚きます。

温かい時は、スパイスをまとった苦味と繊細な甘み、クリアな余韻がある一方、バターのようななめらかなコクも感じられます。
冷めてくると複数の甘みが顔を出し、多彩に変化しながらも決して華やかに突出せず調和を保つ上品なバランスです。
一見相反する様々な特性が、絶妙に重なりあいながら渾然一体となり、それが一杯の珈琲としての完成度と品位を高めているという、不思議な印象を持ちました。

これは例えば地理的に近い、明るく華やかな香味と、ふくよかなボディを持つバニーマタル産モカなどとは全く異なるタイプの個性で、古くからイエメンの珈琲を育む多様な風土と土壌の豊かさ、奥深さをあらためて感じずにはいられません。

現代の珈琲業界のトレンドや、最先端の情報を追い求めるニーズとは合致せず、当店の中でも少々マニアックな部類の商品ですが、品質は折り紙付きです。
一人でも多くの珈琲好きの方に、ご贔屓にしていただけたら嬉しく思います。

モカに始まり

長らく絶版となっていた福岡の珈琲店「珈琲美美(びみ)」の故・森光宗男マスターの名著「モカに始まり」が加筆増補され、装いも新たに生まれ変わりました。

旧版「モカに始まり」を当店で販売させていただいてから6年あまり、ご縁あって再びこの改訂版を取扱させていただくことになりました。



モカに始まり 産地紀行編
手の間文庫
著者/森光宗男(もりみつ むねお)
写真/森光宗男(もりみつ むねお)
改訂初版/2017年12月7日
構造/全208ページ・上製本
価格/1,500円+消費税120円=1,620円


モカに始まり 焙煎・抽出・美美編
手の間文庫
著者/森光宗男(もりみつ むねお)
改訂初版/2018年5月25日
構造/全208ページ・上製本
価格/1,500円+消費税120円=1,620円


生前の森光マスターと交わり、珈琲美美を愛するたくさんの方々の想いが結実した今回の改訂本。

大型書店での取扱はございませんので、ぜひ当店でもこの機会に一人でも多くの方々にお手に取っていただければ幸いです。

御礼

大阪北部の地震より1週間が経過しました。
余震はまだ少し続いておりますが、大阪市内では大きな被害のニュースも聞かず
当店も平穏な日常をありがたく享受しています。

地震直後より遠く離れている方々よりお見舞やお便り、お電話やメールを頂き、
また震災と関連しないお手紙や頂きものも、偶然重なりました。


東京のお取引先様より、貴重な生豆のお見舞い


東京の大先生より有り難いお手紙


京都のお客様が手網焙煎された絶品珈琲

また、台湾の珈琲業界の友人よりご心配のメールをいただき、
福岡 手の間の田中様からお見舞いのお葉書をいただき、
和歌山 珈琲もくれんの村上さんからお電話をいただきました。

いずれもこの仕事に真摯に打ち込まなければ出会うことの叶わなかった方々ばかり。
あらためて珈琲が紡いでくれた大切な繋がりに、感謝の念を噛みしめています。

みなさまのお心遣い本当にありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ストレートのマンデリン

ストレートでお出しするマンデリンの銘柄を
「トバコ」から「スマトラタイガー」に変更いたします。

マンデリン スマトラタイガー
深く厚みある薫り、上品な甘みの余韻
1cup(22g) \650 / 珈琲豆100g \840

(あまり写真を撮らず、荷姿の写真しかなくてすみません・・・)


これまではブレンド#5(ノワール)に使用している極深煎り
「マンデリン トバコ」をストレートでも提供しておりましたが、
ストレートとブレンド用とで銘柄、焙煎方法を分けることは
以前より課題として意識しておりました。

先日この「スマトラタイガー」のサンプルを取り寄せたところ
大変気に入り、ストレート用に取り扱うことを決めました。
マンデリンはモカと共に当店で重要なポジションを担う珈琲です。
今年は産地の減産が伝わる中、納得のゆく豆を入手できて幸いです。

従来の「トバコ」もブレンド#5を作る上で欠かせない珈琲豆ですので
今後はブレンド用に特化して更に味に磨きをかけてゆきます。

どちらもどうぞよろしくお願いいたします。

バニーマタル・モカ

年明けより忙しく、なかなかブログを更新できておりませんが、
久しぶりに珈琲豆の入荷のご案内です。

イエメンを代表する珈琲の名産地、バニーマタル産の珈琲

※今後、複数のイエメンモカを取り扱っていくことを考慮し、
メニューの表記を、産地記載にあらためます。

イエメン バニーマタル・モカ
清々しさを感じる上品な香味、エキゾチックな甘み
1cup(20g) \700 / 珈琲豆100g \1100

バニーマタルは以前より取り扱っている、ハイマ地方の「ハイミ・モカ」と比べ、
ボディ感は少し爽やかで、代わりに独特の香りとクセになる甘みがあります。

同じイエメン産の珈琲でも、異なる地方の土壌や標高、環境、栽培品種の違いが
もたらす異なる特色を、お楽しみいただけたらと思います。